犬を理解するために

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ポチの結論 犬もゆったり育てよう

お薦め本の第1位です。もう、必読っ!
「犬には訓練は不要だし、健康管理については必ずしも獣医を獣医を過信しない方がいい」という、思わず「え!」と思うような結論ですが、丁寧に読んで行けば、実に説得力のある内容になっています。
私は、『BE-PAL』連載時に読んで感動し、単行本になるのを待ち構えて、すぐに購入し、文庫本になった時にも直ちに購入して、単行本と読み比べました。何度呼んでも味わい深い。
内容も多岐にわたり、著者自身「この本一冊で犬を飼う」ことができるくらいの内容であることを自負しています。

とりわけ興味深いのが第9章「訓練という名のオリ」でしょう。
「訓練なんかしなくたって犬とうまくやっていけるじゃないか、というのが正直な実感」であり、そのことを「カヌー犬 ガク」の例や、自分の飼い犬には訓練をほどこしていない訓練士さん他の例を出して説明しています。

単行本刊行時の題名は『藤門弘の新・愛犬講座 ポチの結論』、文庫本の方は『犬もゆったり育てよう「ぼんやり犬養成講座」』となっていますが、内容はほぼ同じです。
文庫の方が章立てがハッキリしていて読みやすいかもしれない。
ただ、単行本の方では各章の前に簡単な犬種紹介が入っているのが、とても良かった。文庫にはそれがないのが残念です。

この本についてはまだまだ書き足りないのだけれど、是非ともご自身で読んでみることをお薦めする1冊です。
14章では藤門氏お薦めの犬本ベスト10も紹介されています。

ただ、私自身は「ぼんやり犬」では、ものたりない、そこで・・・ 
最初に出た単行本
文庫化されたもの

イヌのこころが分かる本

そこで、次にお薦めするのが、マイケル・W・フォックスの『イヌの心がわかる本』。
犬の起源と歴史から、犬の成長過程、スーパードッグの育て方から、犬の超能力に至るまで、実に多岐にわたって解説しています。

犬とはどういう動物で、どういう行動をするのかということを解説すると同時に、どの時期に犬を飼うべきか、どういう性格の犬を飼うのか、その性格はどうやって見分けるのか、どの時期にはどういう点に気をつけるべきか、どうやってスーパードッグに育てるか等、具体的に書かれているため、非常に有益です。

この本を書いた15年後に『イヌの心理学』という本も出していますから、そちらも参照されるのがベストとも言えますが、どちらか1冊読めばいいんではないかと私は思っています。 

ところで 、先に挙げた「ぼんやり犬養成」と「スーパードッグに育てる」では、正反対ではないか、と言う方もいらっしゃるかもしれません。
それについては、藤門氏自身がこう書いています。スーパードッグとは「犬の潜在能力を充分に発揮させよう、という主張」であり「なんだか正反対のことのようだが、ぼんやり犬の立場からしても、能力を引き出すという点には賛成できるのだ」と。

もう1冊、マイケル・W・フォックスの本を紹介します。『犬と話そう』。こちらは、子犬の飼い方に照準をあてた本で、Q&A形式で、大変読みやすくなっております。 
犬の心がわかる本
犬と話そう

人 イヌに会う

次のお薦め本ですが、これはさすがに古いか、とも思われますが、内容は決して古びておりません(ごく1部を除いて)。

例えば、すでにこの時点で、褒美と罰について「犬の訓練の多くの面では、特に家庭での訓練では、罰の助けをかりずに教えるほうがずっとよい」と、断言している。

この本は、先述の『イヌのこころがわかる本』のように体系的な記述はしていないのですが、個々の具体的事例を検証して、犬とは何か、どういう動物かを詳しく教えてくれています。
時には泣きそうになるようなエピソードをも交えながら。

私の場合、先代の犬から、メスのスンダード・プードルを飼っていますし、また専門の訓練士に家庭犬の訓練を任せることに反対をしておりますが、それらの基盤はこの本にあるのです。

犬の行動と心理

『人 イヌに会う』が欧米の古典的名作とすれば、平岩米吉氏の『犬の行動と心理』は、日本の古典的傑作であるといえましょう。

本の見返しのところに【本書の特徴】がいくつか書かれていますが、その中に「学究者には、動物心理学の新生面を示唆し、一般の愛犬家には、飼育に必要な基礎知識を提供している」とありますが、まさにその通り。

記述の仕方は体系的でフォックス流、記述内容はエピソード豊富でローレンツ式という感じ。 
従って、分かりやすく読みやすい。

エピソード豊富なのも当たり前で、著者は43年の間に60余頭の犬を飼っていたばかりでなく、狼・ジャッカル・狐や狸などのイヌ科動物も多数飼っていたという筋金入りのイヌ好きだという。 

コンパニオンアニマルの問題行動とその治療

この本もエキサイティングですよ。特に問題行動を持った犬・猫の飼い主にとっては。

まず、問題行動矯正の手段としての「犬の訓練」は「欧米でも行動学者によるさまざまな問題点の指摘がある」とした上で「服従訓練とは、あくまでも犬に命令語という特定の刺激に対して特定の反応をすることを教えるだけであって、地域社会の中にある家庭という環境において、飼い主を困らせないような行動を常にとることを犬に教え込む性質のものではない」としている。

つまり、原理的には服従訓練をしても問題行動は解消されないということだ。 
これは、私が前々から疑問に思っていた点で、それに科学的根拠を与えてくれたものと言える。

さらに「問題行動の予防と治療を違うものとして区別できていない」ことが根本的な問題であることを指摘する。

そして動物行動学における「行動の発達」という概念を軸にしつつ、問題行動の分析と対処法とを科学的に解明してゆくという、従来にない画期的な考え方であり、方法である。
素晴らしい。 

デキのいい犬、わるい犬

最初にタイトルだけ見た時は「?」って思いましたよ、この本。
ところが、原タイトルは「The intelligence of dogs」、ズバリ「犬の知性」。心理学者であり、犬のトレーナーでもあるという著者による実に真面目な本です。
読みどころは、まず犬の知能についての分類と、その相互関係についての考察。
犬の知能は、①順応的知能(学習能力と問題解決能力) ②作業・服従の知能 ③本能的知能に分けられるという。
うちの犬を例に出すと、「前の子の方が賢かったね」と言われることが多いのだが、実は「賢さの種類」が違うのです。前の子の方が②の知能は高かったけれど、①に関しては今の子の方が高い。さらに、①の中の学習能力に関しては前の子の方がやや高かったのだけれど、問題解決能力となると今の子の方がずいぶん高い。そして③に関していうと、プードルという犬種は低い方に位置する。
ですから、実はタイトルに反して「デキのいい犬、わるい犬」というのは、単純には判定不能なのですね。
であるにも関わらず、順応的知能のIQテストをおこない、犬種による分類がおこなわれています。次いで服従作業知能に関しては、服従訓練競技の審査員にアンケート調査をおこなった上で、ランキングを作っています。
さらに、飼いやすさに焦点を合わせて、犬の性格テストのやり方について詳しく説明するという念の入れよう。
そのあたりまで読んできて、自分の飼い犬に自信を失いそうになった人にも救いの手が。第12章「犬の知能は高められる」!
実に楽しく、興味深い本です。

同じ著者による『相性のいい犬、わるい犬』もお薦め。特に、これから犬を飼うという人は、犬種選びの参考にするといいと思います。飼い主の性格テストも付いております。 
犬の知能は高められるとしている
失敗しない犬選びのコツ

うちの犬はおりこうさん

ベルギーの獣医師であり、犬の問題行動の専門家でもあるジョエル・ドゥハッス博士による、しつけと訓練の解説書です。
オペラント技法(自主的な行動を強化するやり方)の具体的方法を「こういう時、犬はこう考えているであろう」という想定問答等を交えて、詳しく説明しています。
この方法をしっかりマスターすれば、誰でも比較的簡単に、大きな失敗もなく、犬のしつけができると思います。
オペラント技法の具体的なやりかたをもっと良く知りたいという人にお薦め。
何より、犬をのびのび育て、楽しく暮らそうという基本的考え方に賛成です。

同氏による『犬を真面目に考える』は、手引書と言うより行動学に突っ込んだ内容になっています。『うちの犬はおりこうさん』を読んで、その背景となる考え方を学びたいという人に。

しつけの仕方で犬はどんどん賢くなる

藤井氏は沢山の本を書いてらっしゃるので、「これ!」というのが難しい。
私も全部を読んでいるわけではありませんが、お薦めするなら、これ「しつけの仕方で犬はどんどん賢くなる」でしょう。

犬の飼い方の「常識」が、いかに非常識かについて詳しく述べられており、またリーダー・ウォークのやり方、ホールド・スチール、マズル・コントロール、タッチングのやり方についても書いてあります。

食事の与え方・生活の仕方・褒め方・叱り方等貴重なアドバイスが満載!

子イヌを飼うまえに 子イヌを飼ったあとに

お散歩道では「犬のしつけは、犬を飼う前に始まっている」という言い方をしますが、このイアン・ダンバー博士の『子イヌを飼う前に』は、そういう考え方で書かれています。
「イヌを飼う前に、あなたが子イヌの教育について勉強し終わっていることが大切なのです!」「車の運転を始める前に運転の仕方を学ぶのと同じ」と書いています。

まず、犬の社会化について触れた上で、①あなたの子イヌを探す前に ②あなたの子イヌを選ぶ前に ③あなたの子イヌが家にやって来た日に という具合に分かりやすく説明しています。

マイケル・W・フォックスの『犬と話そう』と併読すると、より理解が深まるかと思われます。

同じシリーズで『子イヌを飼ったあとに』も出ています。 
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