散歩の仕方

お散歩道のお散歩流儀

絵になるお散歩がしたい。そう思っていました。
軍隊行進じゃなくて、フリー・ジャズのような。
人は人で自分が歩きたいように歩く、犬は犬で自分の好きなように歩く。
けれども、二人の息がピッタリ合って。
自在だけれども調和がとれている、そんなお散歩。

ある時、私たちの散歩を見ていた人に、こう言われました。(いや、直接にではなく、他の人から聞いたのですが。「私の知り合いがこんなこと言ってたよ」と)。
「 まるで、映画をみているようやった・・・」

なるほど「映画みたい」かあ・・・、うまいこと言うなあと思いつつ、とても嬉しかったものです。

見ている人も幸せを感じる・・・お散歩道のお散歩流儀。

フィールドによるお散歩の違い

お薦め本コーナーでもイチオシの『犬もゆったり育てよう』の中で、藤門弘さんは、こう書いています。
「犬が綱を引っ張ったっていいではないか。(中略)綱などつけずに野山を自由に駆け回らしてあげるのが本来の犬の散歩なのであって、それができない環境だからやむをえず綱を使っているのだ。」
さらに「座れ、待て、伏せ、こい、つけなど(中略)訓練の領域のことで、家庭犬の場合には必ずしも必要のないことだ」。

まったくおっしゃる通りで耳が痛いのだが、あえて異を唱えると、藤門氏のようにお散歩のフィールドが自ら所有する牧場付近の野山や草原の場合はともかく、街中ではそうもいかない、ということです。 

「スワレ、フセ、ツケ、マテ、コイ」に関する考え方

藤門氏は「このように犬にはっきり反射をうながす命令は訓練の領域」と書いています。実は論理的には、その通りです。
しかし、私の場合は、あえて、やや強引ながらも・・・(;^ω^)、それもしつけの一環としてとらえています。(「しつけと訓練の違い」の項参照)
というのも、街中の散歩では、やはり必要になってくるからです。

人が多く、車・バイクや自転車が走り回るところでは、犬がグイグイ綱を引っ張って歩くのは危険です。人について歩くのがよい。私の場合は「ツケ」と言うこともありますが、基本的にはリーダー・ウォークを使います。

横断歩道では、オスワリをして待つ方が危険が少ない。というのも、犬は何かに反応して急激に動くことがあるからです。その時、立ったままだといきなり動けますが、坐っているとワンテンポ遅れるのです。その差が、飼い主に犬の動きを制御する時間を与えます。
その際、「マテ」がしっかりかかっていれば、その心配もありません。

「フセ」は必ずしも必要ではありませんが、私は知らない犬や攻撃的な犬、小さい子供とすれ違う時などに使います。
伏せていれば、よその犬の攻撃衝動を引き起こす可能性が低くなります。小さい子は、目の前にいきなり大きい犬の顔があるとびっくりして泣き出してしまうこともあるからです。
相手によっては「スワレ」を使う場合もあります。
「フセ、マテ」「スワレ、マテ」というように「マテ」と併用します。

「コイ」は絶対必要。藤門氏の場合、名前を呼べば来るようにしつけているので「コイ」も不要ということになっているだけです。
私のように犬を放せるところでは放す、というお散歩の場合は当然必要ですが、そうではない場合も、犬がいきなり飛び出してリードを放してしまったなどという経験をした方も多いと思います。
ですから「コイ」は絶対に必要なしつけなのです。

但し「スワレ、フセ、ツケ、マテ、コイ」をせっかく教えても、私のように実際の散歩で使わないのなら意味がないということです。
多くの訓練士の方は、「スワレ・・・他」を犬に教えてくれることはしますが、その使い方までは教えてくれません。
この辺りが、服従訓練大会のサークルを対象にしていない、お散歩道の実践的なところです。 

そこで実際のお散歩は

散歩はあくまで楽しくありたいもの。
犬も人も楽しく歩きたい。

人通りの少ないところでは、リードを長く伸ばしたリーダー・ウォークで歩きます。リードの範囲内で、犬は自由に動き回ってよいというルールです。
立ち止まったり、匂いを嗅いだりも可。
但し、リードが張ってしまってはいけません。あくまでリードの範囲内です。

人通りが多い所や、車が行き来するようなところでは、リードを短く持ったリーダー・ウォーク。いわゆる「ツケ」や「ヒール」「アトヘ」などにあたる歩き方になります。

そして、犬を放せるような人気のない公園等で、リードを放します。この時、犬は自由に歩き回り、走り回ってよい。
但し、呼ばれたら、すぐ帰ってくるというのがルールです。 

この3つのやり方を適宜織り交ぜての散歩が、お散歩道の流儀です。

そのためには

そのためには、人と犬との社会的序列と信頼関係が確立されていること。
リーダー・ウォークができること。
「マテ」と「コイ」が確実にできること、「スワレ」「フセ」ができることが前提条件になります。 
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